友達だよね…⑱ | やさしい気持ちでいられたら…

友達だよね…⑱

車をとめて、Sのアパートの近くにある

スーパーで食材のお買い物をして、


Sはハンバーグが食べたいと言うので

ハンバーグを作ることになった。


Sの部屋に行くのは2回目。

前にはMちゃんと一緒にきた。


今日だって、本当はMちゃんが

一緒のはずだったんだけどな…


1人暮しをはじめたばかりのSの部屋は

そんなに散らかってないし、なんでも真新しかった。

キッチン用品もみんな新しい。


Sのお部屋にお邪魔して…


買ってきた食材を冷蔵庫に入れ、お料理スタート!


「へぇ~!そんな風にするんだぁ~」


興味深々にSが過程を見ていた。

 

「いいよ~座ってテレビでも見てれば?」


って私が言うと、


「いいの~もえに作ってもらって、

俺だけテレビなんてみてられないよ~

今後の勉強のためにも覚えたいしさ。」


「そう?1人暮しで自炊するなら

覚えておいた方が良いかもね。」


なんて話しながら、

たまねぎのみじん切りを炒めたり…


キッチンはミニキッチンでコンロも電気の

ひとくちコンロだから、同時進行が

出来なくてちょっと手間取ったけど

付け合せもハンバーグも、1時間弱で出来あがり。


「うめぇぇ~ホントうまいよもえ!

もえはやっぱり料理上手いよな。」


とか、いいながらSはぺろりと食べてた。


後片付けして、お腹も一杯になったSは眠たそう…


「眠いなら寝てれば?適当に

テレビでも見てるし、さっき買った本もあるし。

少し寝たらお家に送ってって~」


って言うと


「寝ない寝ない。

もえが来てくれてるのにもったいないもん。」


「………」


「…ホントはMちゃんも居たはずなのになぁ。

告白の件があってからしばらく経ったけど、

Mちゃんのことはやっぱりそう言う風には見れない?」


「Mのことは友達としてしか見れないよ…それにさ、

もえにそういうこと言われると、結構キツイんだよね。」


「うーん…私にとってもSは友達だし、

そんな風に言われるとある意味キツイよ。」


「………」


「ただね、Sも気づいてるかもしれないけど

Mちゃんは結構まわりが見えなくなってると思うし

友達だから対応とか難しいと思うけど、

思わせぶりな態度はとらないようにしないと。」


「俺は普通に接してると思うんだけどな…」


「まぁねぇ…そうかもしれないけど、ひとつ言えるのは、

MちゃんがSの部屋に1人で頻繁に来てるでしょ?

Mちゃんが来ることに対してSが全然拒否しないから

Mちゃんは期待してるのかもしれないし…」


「あ~俺もさ、友達だし断るのも悪いかなと思って…

確かに最近良く来てたよな…」


「難しいけどねぇ…

Sの所に行ったって話を聞いたときにね、

Mちゃんに聞いたことがあるんだけど…」


「なにを?」


『Sの所に行ってもいい?』

ってSに聞いたときに、Sは何て言ってたの?

って聞いてみたら、『くれば~』って言ってくれたよ。

って嬉しそうに言っていたから…

SがMちゃんにそう言う気持ちがあるなら良いけど

そうじゃないなら、期待しちゃうと思うのね…」


「そっかぁ、俺全然気にしてなかったよそんなこと。」


「ある程度ね、こう壁って言うんじゃないけど

一線引かないといけない部分もあると思うのね。」


「もえは考えてるよなぁ~人のことまで色々…」


「そんなことないけど…」


そんな感じで、しばらく話していた。



私は床にクッション持って座って

Sはベットに転がっていたんだけど…


ぽけ~っとしていたら、

後ろから急に抱きしめられた…


えっ!?・・・


「こういうのは良くないってば…」


「ごめん…」

そう言いながら離してくれた。


そう言ってるのに…

今度は髪を撫でたりあたまを撫でたり…


好きっていう気持ちがあるから仕方ないのかな?

もう大丈夫だと思ってたのになぁ…

好きだと思ってもらえるのは、その気持ちは嬉しいけど

私は答えられないから…


放っておこうかとも思ったけど、

中途半端は良くないと思ったので


「S…あのさぁ…」


「なに?」


「そう言う風になっちゃうなら、

もうこれからは2人で会うのはやめようよ。

今でも私はSのこと友達だと思ってるけど…」


「ごめん…そういうつもりじゃなかったんだけど。」


「じゃあ、どんなつもりなんじゃい!」


なんてふざけたりして、

その後は話題を変えて普段どおりのペースに戻して…

少ししてSの車で、家まで送ってもらった。


その帰り道でも、もえの好きな車が走ってて


「いいなぁ~もえも車乗るならあれがいい!」

それはよく言ってるからSも知ってること。だけど…


「結婚してくれたら買ってあげるよ。」


おぃおぃ…冗談キツイよ…冗談で返してやる!


「それはリスクが大きいなぁ…なら自分で買うわ~。」


こんな会話をしながら無事家にたどり着きました。

なんか疲れた1日だった…


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