カップリングパーティー③
「あの、よかったらお話しませんか?」
と、声をかけられた。その人は、
もえが第一印象に記入した人だった…
「あ…はい。」
「よかった…こっちの席座でいいかな。」
窓辺の夜景な綺麗な席が空いていたので、
彼がその席へ案内してくれた。
50人くらいいた男性の中で一番話しやすくて
穏やかそうな人だった。って言っても、
ひとりにつき2分位しか話す時間が無かったので
ほとんど訳がわからなかったけれど、
その中で記憶に残るような人は彼だった。
あと、覚えていたのはちょっと
キャラクターの濃い感じの人とか…
彼は見た感じ、
パッチリした目でスッキリした顔立ち、
髪は軽くパーマがかかっていておしゃれな感じ。
話した感じも穏やかなで優しそうなのに、
なんでこんなところに来てるんだろう…?
なんて思いながらも
「僕のこと、覚えてたました?」
なんて話からはじめて、お互いのことを話したりした。
彼は都内でデザインのお仕事をしていて、
もえと同じ沿線に一人暮らしをしている
趣味は犬のお散歩とか映画やお買い物。
年はもえよりも上だった。
話をしている間にスタッフの人がまわってきて
自分を第一印象に指名してくれた人の番号の
記載されたカードを持ってきてこっそり渡してくれた。
そんな話をしていた時間もあっという間、
スタッフからアナウンスが入った。
「は~い!お話も盛り上がってるかと思いますが
シャッフルタイムです。男性は席を立って中央へ、
女性はそのまま席に残ってください。」
「なんかホントあっという間だね…
もっと話したかったけど。それじゃ、ありがとう…」
「こちらこそ、ありがとうございました。」
「では~シャッフルタイムです!
先ほどの女性とは別の
気になる女性にアタックしてください。
女性はそのままお席におかけ下さい。」
というアナウンスとともに男性陣人が動き出す。
女性陣は動けず座ったままで受身の状態。
シャッフルタイムと言う名のフリータイム?は何度か続いた。
フリータイムで他の男性が何人も
アプローチをしに来てくれたけれど
そんなに何人も気になる人が出来るわけもなく…
「では、フリータイム終了です!
スタッフが告白カードをお配りしますので
第一希望から第三希望までカップルになりたい、
気になった異性の番号を記入してください。
記入が終わりましたら、スタッフが
お席をまわりますので、カードを渡してください。」
うーん…気になる人かぁ、
そんな短時間でよくわからないけれど
第一印象をつけた彼しか気になる人は居なかったし…
3人も書けないなぁ…いっか1人だけで。
彼の番号を記入して、まわってきたスタッフに渡した。
告白カードの集計の時間か少しだけ設けられ…
「では、お待たせいたしました!
本日のパーティーでは10組のカップルが誕生しました!
この出逢いの場を生かして、お友達から恋人へ
発展しますよう、スタッフ一同お祈りしています。」
「それでは、男性の番号と女性の番号をそれぞれ
発表しますので呼ばれた番号の方は
男性からご起立下さい!それでは発表です!」
「男性、No○○女性、No○○番の方
おめでとうございます!カップル誕生ですご起立下さい!」
と言うのが何組分も続く…
立たされた2二人にはスポットが当てられ
みんなちょっと恥ずかしそう。
一緒に来ていた友達は
2人ともカップルになっていた。
あらあら~やるなぁ2人とも!
なんて思いながら微笑ましく見てた。
自分のことなんてそっちのけで、
2人の様子をウキウキしながら伺ってた。
「では、最後になりました。
10組目最後のカップルの発表です。
男性No○○番、女性No○○番!
おめでとうございます、カップル誕生です!ご起立下さい。」
「女性の○○番の方、ご起立下さ~い。」
・・・え?○○番って私だ…
え?うそ?彼も私を選んでくれたの?
そんなことになるとは思わずびっくりしてると
1人のスタッフの方がやってきて、
「おめでとうござます。ご起立下さい^‐^」
「あ、はい…」
鳩が豆鉄砲を食らったようになっている
私を見て彼は笑っていた。
なんだか、例の彼とカップルになっちゃった。
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